細川紀彦氏 | 芸術村外観 |
「里山の家」 | 「オープンスペース」の中より外の広場を望む。水路越しに薪能など様々なパフォーマンスが鑑賞できる |
大正時代のれんが造り建築をそのまま補修して再利用しており、 「グッドデザイン賞」を受賞している。 |
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「オープンスペース」付近外観。 米田氏と伊佐。奥が「里山の家」。 |
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大和紡績工場跡地の碑 | 「アート工房」の中。夏休みで、 子供向けの催しをやっていた |
利用・運営:24時間年中無休で利用可能。利用料は1グループ6時間1,000円、冷暖房・備品利用は無料。各分野から二名ずつ利用者代表として選ばれたディレクターが規則を作り、運営する。わずかの交通費と食費の有償ボランティア。各工房で運営をサポートするボランティアグループが自然発生的にできている。火気管理上の注意以外何をしても一切利用者にまかされているが、施設をもと通りに戻すことだけが義務。打楽器など通常に利用して破損したものは補償を求めない。夜間はガードマン一人だけだが、現在まで故意の破損や落書きや盗難、たまり場、暴走などの問題は一件も起こっていない。年間稼働率100%、これまでのべ74万人が利用した。うち1割は市外の人。
アクションプラン:ディレクター達が中心になって、地元の市民文化を育てるために、年間約300本の自主企画を行い、市側からそれに年間4,500万円を出している。
年間予算:1億5,000万円(プラス広場の維持管理に2,000万円)。市民一人あたり275円。うちアクションプランで4,500万円。大半は警備会社や機械監視会社への委託費。人件費は入っていない。職員は市まるがかえの第三セクター「公共ホール運営財団」の職員。収入は年間約1千万円。差額は市が不可欠の公共サービスとして支出している。「芸術文化は心の食糧」。多くの自治体では高額の文化ホールを建てて、「年の半分以上は空気の管理」をしている。これは「客間」を作っていると言える。しかし住んでいる人にとっては多少汚れていても使い勝手の良い居間がいる。「ここは芸術文化の居間」。
職人大学校:高度な伝統技能の伝承と人材育成を目的とする。各種職人組合から棟梁クラスを生徒として推薦してもらって、古老と呼ばれる人を講師に3年間勉強する。武家屋敷街に卒業制作の茶室がある。
武家屋敷街の「長町研修塾」。 職人大学校の卒業研修でこの昭和初期の建物を修復し、さらにこの奥にある茶室「匠心庵」を作成した。 |
職人大学校外観 |
研修で作った土蔵と土塀。 | 「匠心庵」の庭園。作ったばかり なのでまだコケが広がっていない。 |
広場:約35,000F+広大な駐車場。備蓄倉庫があって、災害時の避難所になる。地下水を小川として流しているが、これは飲める。
細川さんは毎年久留米大学経済学部公開講義でお話いただいています。細川さんのお話は、西川、松尾、伊佐編『市民参加のまちづくり』(創成社)第11章に所収しています。松尾匡の著書のページへ
金沢市民芸術村は2002年度夏の経済学部公開講義現場視察ツアーでも訪問しました。