日本の公共事業からODA へのシフト〜ODAによるラオスのダム建設の問題点〜 |
河内 俊英 |
日本では第二次大戦後インフラ整備ということで, 多くの公共事業が行われ
道路建設, 港湾整備, 鉄道建設, 河川や水道の整備, 洪水対策のためのダム
建設などが行われ, 多大な成果をあげてきた。この公共投資もピークを越え,
建設事業は大幅に減少している。ダムに代表される大型公共事業への逆風に対
して, 危機感を募らせた大手建設会社は, これまで途上国に建設のチャンスを
求めてきた。その目標達成のターゲットに選ばれたのがODAである。多くの
のダム建設もその例である。ラオスにとってダム建設で得られた電力をタイに
売り, 外貨を獲得できるメリットがある。しかし, ダム建設用地に暮らしてい
た多くの居住地を追われた住民への補償が十分では無いという問題点が1つあ
る。また他にもダム建設により希少生物が失われる問題と, 食用や販売用とし
て重要な淡水魚の大幅な減少の心配があげられる。このような多くの課題をか
かえる中で, 先進国のODAによるアドボカシーの役割は, 問題点の解決や緩
和にとって重要である。 |
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